• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

組織損傷時に放出される細胞内タンパク質群の“細胞外機能”と単球表面への結合機序

研究課題

研究課題/領域番号 26462756
研究機関山口大学

研究代表者

泉 友則  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00261694)

研究分担者 田岡 万悟  首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (60271160)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード機能プロテオミクス / 細胞質漏出 / 細胞表面結合 / 炎症メディエーター / 疾患マーカー
研究実績の概要

本研究課題では、申請者らがこれまでに特定した“細胞表面結合能を有する一群の細胞内タンパク質”について、細胞膜上での新たな分子機能を解析する。H27年度は、これまでの実験で単球表面結合能が示されたタンパク質リストより選択した潜在的機能分子について、引き続きHEK293細胞を利用したタグ付き組換えタンパク質の発現とU937細胞に対する影響解析を行うとともに、細胞表面受容体の単離と質量分析によるタンパク質同定実験を行った。
潜在的機能分子の精製標品をNHS-activated Sepharose4 FFに共有結合させたアフィニティーカラムを作製し、U937細胞より調製した細胞膜タンパク質画分を負荷した。非結合画分を洗浄後、常法により溶出し、得られた結合画分について、変性、還元・アルキル化、トリプシン消化を行い、Direct nanoLC-QTOF質量分析システムにより解析した。
ケラチン類や消化酵素のトリプシンを除外後、コントロール実験での同定タンパク質と比較を行い、最終的に4種類のタンパク質が潜在的機能分子の結合パートナーとして同定された。同定されたタンパク質には、アポトーシス関連分子、代謝酵素、細胞骨格関連分子、および細胞膜貫通型受容体が含まれていた。この膜貫通型受容体は、細胞骨格の再構成と通じて細胞接着や移動、貪食に関与することが報告されており、今回検討した潜在的機能分子の新たなターゲットである可能性が高い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H27年度は、当初の研究計画に沿って、1)前年度からの継続実験、および2)単球表面における潜在的機能分子の相互作用解析、以上2項目を実施計画書に記載した。1)に関しては、各種活性測定データを着実に集積しつつある。2)に関しては、潜在的機能分子の単球側ターゲットを明らかにした。最も解析が困難であると予想された細胞膜受容体の同定に現時点で成功しており、これらを裏付ける細胞影響に関する情報が蓄積しつつあることから、おおむね計画通りに研究が進展している状況と言える。

今後の研究の推進方策

これまでの成果は、1)損傷細胞から放出され、単球表面に結合する一群のタンパク質の同定、2)特定のタンパク質による、MAPキナーゼのリン酸化増強の確認、および、3)その細胞膜受容体の同定、以上3点にまとめることができる。H28年度は、当初の研究計画に沿って、1)潜在的機能分子の単球表面への結合から炎症関連応答にいたるこれらの経路を分子レベルで確認するとともに、創薬ターゲットとしての中和抗体の利用やシグナル伝達経路に対する阻害の可能性を探る。

次年度使用額が生じた理由

物品購入の当初計画額からの値引きにより最終的に生じた残額であり、H28年度の研究費使用計画は、当初の研究計画から大きな変更はない。

次年度使用額の使用計画

H28年度の予算と合算し、試薬・消耗品の購入に使用する。

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi