研究課題/領域番号 |
26462759
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
山口 修 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (20174609)
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研究分担者 |
倉橋 清泰 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (50234539)
柳 大介 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (80638586) [辞退]
東條 健太郎 横浜市立大学, 医学研究科, 特任講師 (80737552)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 敗血症性臓器不全 |
研究実績の概要 |
敗血症性臓器不全における低酸素誘導性因子(HIF)の機能を明らかにするために,低酸素誘導性因子のαサブユニットの分解を司る酸素センサー分子PHD2のノックアウトマウスを作成することとし,PHD2-floxマウスの譲渡を受けた.さらにPHD2-floxマウスと掛け合わせるCreマウスを購入した上で,ノックアウトマウスの繁殖を行った.繁殖に時間がかかり,ノックアウトマウスの完成までには至らなかった. さらに,一昨年度の時点で,初期の段階で各種臓器におけるHIF-1の増加が観察されたLPS腹腔内投与による敗血症マウスモデル,およびLPS気管内投与肺傷害モデルマウス,これら腹腔内投与と気管投与の組み合わせ,さらに腹腔内投与,気管内投与それぞれのモデルに通常容量の一回換気量での人工呼吸を組み合わせたモデルにおいて肝障害や腎障害と行った臓器不全がどの程度観察されるのか血液中のGOT,GPT,クレアチニンを測定することで評価を行った..LPS腹腔内投与敗血症モデルでは肝障害,腎障害が確実にみられたものの明らかな肺傷害は観察されなかった.一方,LPS気管投与肺傷害モデルでは肺以外の臓器にはほとんど変化が見られなかった.腹腔内投与と気管内投与を組み合わせることで肺,肝臓,腎臓全てに傷害が生じ,肝障害については相乗的な増悪が見られた.さらに,人工呼吸はそれ自体が軽度の肝障害,腎障害を引き起すものの,単独では明らかな肺障害を引き起こさなかった.腹腔内投与や気管内投与モデルと人工呼吸の組み合わせでは臓器障害に対して相加的な効果が観察された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物モデルの作成,臓器障害の評価に時間を要している.また,ノックアウトマウスの作成において繁殖に時間がかかり,研究の進捗状況はやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
ノックアウトマウスの繁殖を進めて,細胞種特異的なノックアウトマウスを完成させる. また,LPS腹腔内,気管投与モデルの臓器不全評価の結果を踏まえて,これらのモデルマウスに対して薬剤によるHIFの活性化もしくは阻害を行うことで,臓器不全の程度にどのような影響が生じるのか検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
動物モデルの作成,臓器不全の評価及びノックアウトマウスの繁殖に時間がかかり,敗血症性臓器不全における低酸素誘導性因子の阻害や活性化の影響を検討する実験の実施が遅れているため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
ノックアウトマウスの繁殖及び,敗血症性臓器不全モデルマウスでの低酸素誘導性因子阻害,活性化の実験を実施するのにあたり,動物の購入,飼育費,試薬代の購入にあてる.
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