研究課題/領域番号 |
26462762
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小澤 俊幸 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50570602)
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研究分担者 |
粟津 邦男 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30324817)
鶴田 大輔 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90382043)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 光線力学療法 / 緑膿菌 / MRSA |
研究実績の概要 |
in vitroにおいて、緑膿菌に5-ALAを投与し、高速液体クロマトグラフィーでポルフィリン類を計測したところ、プロトポルフィリン9(PpⅨ)の比率は約2%であったが、キレート剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を同時に添加したところ、PpⅨの比率は14%と約7倍に増加することがわかった。次に、菌量を100000CFU/mlに調整後に、5-ALA無添加群、5-ALA添加群、5-ALA+EDTA添加群に分け、添加後に波長410 nmの発光ダイオード(LED)を照射出力50 J/cm2で照射し、24時間培養後の菌量を計測したところ、5-ALA+EDTA添加群では有意に菌の増殖を抑制することが出来た。その条件下で、電子顕微鏡で菌体を確認したところ、細胞壁の破壊像が認められ、PDT効果が確認できた。次にin vivoにおいて、マウスの背部に緑膿菌感染皮膚潰瘍を作成し、5-ALAおよびEDTAを腹腔内投与後に、創部に青色LEDを照射し、創傷治癒が促進するか確認を行ったが、創傷治癒の促進は認めなかった。腹腔内投与は中止し、外用剤による治療に変更した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitro におけるALAの至適濃度及びEDTA濃度の決定ができたこと。また、作用機序を電子顕微鏡にて確認できたことが、前進できた。しかし、in vivoにおいて、MRSAに対するPDTと同様にALAの全身投与を行っても、PDT効果が得られなかった。これは、全身投与では創部に充分な濃度でALAが到達しなかったためと考える。そのため、投与方法を塗布に変えて実験を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
親水軟膏にALA及びEDTAを加えてPDTを行ったところ、親水軟膏自体が創傷治癒を阻害することがわかったため、基質をジェルに変更し現在研究を行っている。 ジェルにALA及びEDTAの濃度を変化させ溶解し、青色LEDを創部に照射していく予定である。
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