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2015 年度 実施状況報告書

多剤耐性菌皮膚潰瘍に対する5-ALA全身投与によるPDT研究

研究課題

研究課題/領域番号 26462762
研究機関大阪市立大学

研究代表者

小澤 俊幸  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50570602)

研究分担者 粟津 邦男  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30324817)
鶴田 大輔  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90382043)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード光線力学療法 / 緑膿菌 / MRSA
研究実績の概要

前年度、ALA腹腔内投与では局所の緑膿菌PpⅨ産生量が低いためPDTの効果が低かった。そのため、本年度は腹腔内投与から軟膏基剤にALAを溶解して投与を行った。予備実験として、親水軟膏、ジェル等の軟膏基剤の最適化を調べたところ、ジェルが創傷治癒を阻害しなかった。つまり、軟膏の基質としてはジェルが最適であった。その後、0.5%ALA及び0.005%EDTA・2Naを添加したジェルを、糖尿病益野の背部に作った緑膿菌感染皮膚潰瘍モデルに塗布の後、410nm青色LED30J/cm2を連日照射しPDTの効果を検討した。結果、EDTA・2Na含有ALAジェルを用いたPDTは、感染潰瘍と比較し有意に創傷治癒を促進した。その治癒スピードは、感染していない皮膚潰瘍と同様となり、満足の行く結果であった。来年度は、結果をまとめ、論文発表を行うことを第一の目標とし、創部の緑膿菌量、最適なPDT条件の検討も行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vivoにおける緑膿菌に対するPDTが創傷治癒促進効果があることが証明できたため、当初の目標はお概ね順調に進展していると考える。最終年度は、これらの結果をふまえ至適条件の詳細な検討を行い、論文報告および海外学会での発表を目標とする。

今後の研究の推進方策

当研究室では、MRSAおよびMRSA感染皮膚潰瘍対するALA-PDTは、殺菌効果を示し、創傷治癒促進効果があることを論文報告した。今回の研究で、緑膿菌及び緑膿菌感染皮膚潰瘍に対するALA-PDTが同様に殺菌効果および創傷治癒促進効果があることが確認でき、論文報告する予定である。今後は臨床応用を想定し、MRSAおよび緑膿菌の混合感染潰瘍およびその他の感染原因菌に対するALA-PDT効果を同様に検討していく予定である。最終目標は、ヒト感染皮膚潰瘍に対するPDT治療薬を開発することとしている。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者である、粟津邦男教授が成果発表のために本年度予算を10万円予定していたが、出席予定であった学会に出席できず、予算があまったため繰越となった。

次年度使用額の使用計画

来年度は、本年度の研究結果を積極的に行っていく予定であるので、研究分担者の粟津教授の旅費も必然的に多くなることが予想されるため、使用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する光線力学療法2015

    • 著者名/発表者名
      小澤 俊幸, 森本 訓行, 鶴田 大輔, 粟津 邦男
    • 雑誌名

      日本レーザー医学会誌

      巻: 35 ページ: 403-406

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intraoperative adjustment of eyelid level in aponeurotic blepharoptosis surgery.2015

    • 著者名/発表者名
      Yabe T, Tsuda T, Hirose S, Ozawa T.
    • 雑誌名

      Ann Plast Surg.

      巻: 74 ページ: 520-523

    • DOI

      10.1097/SAP.0b013e3182978885.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Repeated myiasis in a female vulvar squamous cell carcinoma caused by Lucilia sericata and Sarcophaga crassipalpis.2015

    • 著者名/発表者名
      Hiraoka H, Ozawa T, Sowa-Osako J, Ichimura T, Kimata-Teramoto I, Isozumi R, Kaneko A, Tsuruta D.
    • 雑誌名

      J Dermatol.

      巻: 42 ページ: 840-841

    • DOI

      10.1111/1346-8138.12911

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A case of tuberculous cellulitis.2015

    • 著者名/発表者名
      Taguchi R, Nakanishi T, Imanishi H, Ozawa T, Tsuruta D.
    • 雑誌名

      Clin Med InsightsCase Rep.

      巻: 10 ページ: 11-12

    • DOI

      10.4137/CCRep.S19155

    • 査読あり
  • [学会発表] 細菌感染に対する 5-ALA及び青色LEDを用いたPDT.2015

    • 著者名/発表者名
      小澤俊幸
    • 学会等名
      第36回日本レーザー医学会総会
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター(栃木県宇都宮市)
    • 年月日
      2015-10-21 – 2015-10-22
  • [学会発表] 光線力学療法による感染症治療.2015

    • 著者名/発表者名
      小澤俊幸
    • 学会等名
      第47回日本臨床分子形態学総会
    • 発表場所
      長崎大学医学部良順会館(長崎県長崎市)
    • 年月日
      2015-09-18 – 2015-09-19
    • 招待講演
  • [学会発表] 光線過敏を利用した皮膚科治療:PDT.2015

    • 著者名/発表者名
      小澤俊幸
    • 学会等名
      第114回日本皮膚科学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2015-05-29 – 2015-05-31
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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