研究課題
前年度、マウス緑膿菌感染潰瘍に対して、ALAの全身投与では局所の有効濃度に達しなかったため投与方法を、全身投与からALA及びEDTA-2Naを溶解軟膏に変更し局所塗布に変更した。軟膏の種類は、親水軟膏、ジェル等様々な基質を候補とし、予備実験を行ったところ、ジェルが創傷治癒を阻害せず、用意に溶解できた。予備実験の結果を元に、ALA及びEDTA-2Naジェル及び410nmLEDを照射した場合、殺菌効果と創傷治癒促進効果を得た。その後、実験を繰り返すことにより、in vivoに於けるALAの至適濃度は0.5%、EDTA-Naの濃度は0.05%が創傷治癒を阻害せず、感染を抑えることがわかった。また、LEDの照射出力も様々に変化させ、結果9J/cm2が最適であることがわかった。本年度は、PDT施行後に潰瘍部分の病理組織を採取し、光線力学療法の組織への影響を検討行ったが、結論には至っておらず、今後検討の余地があると考える。また、MRSAと緑膿菌の混合感染の創傷治癒遅延感染モデルマウスを作成することに成功したので、今後、このモデルマウスを使用し、より臨床に近い状態の皮膚潰瘍に光線力学療法を行い、実験を重ねる予定である。加えて、これらの結果を多数の国内学会及び2017年4月のSociety for investigative dermatogy(アメリカ)国際学会にて報告を行った。また、研究中に得た知見を元に国際特許を取得できた。現在、成果論文を作成し、投稿中である。
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