化膿レンサ球菌が劇症型レンサ球菌感染症のような侵襲性疾患を惹起するためには,初発感染部位である咽頭や皮膚の上皮細胞層を突破する必要がある.我々は本菌がヒトプラスミノーゲン (PLG) 存在下において,主にトリセルラータイトジャンクション (tTJ) から上皮バリアを突破する現象を見出した.また,PLGは菌体表層タンパク質であるSENとトリセルリンを繋ぐ分子ブリッジとして機能し,化膿レンサ球菌のtTJへの局在に関与することを明らかにした.これらの研究結果から,化膿レンサ球菌はPLGのトリセルリン結合能を利用することでtTJに局在し,tTJから上皮バリアを突破することが示唆された.
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