骨組織再建材料として古くから自家骨に変わる様々な種類のセラミックスが生体材料として研究されてきた。しかしこれらの生体材料を用いて広範囲に欠如した骨組織を再建することは生着率、強度、骨誘導能効率等の点から困難であるのが現状である。本研究において口径300μmの貫通孔を有するハニカムTCPを頬骨欠損部に適応したところ、正常に近い骨組織構築が認められ骨組織の連続性が回復していた。また長期的な観察においてハニカムTCPは吸収変形し、欠損前の骨組織とほぼ同様の形態に復元していた。以上のことから本材料は極めて優れた生体材料であると考えられた。
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