研究課題/領域番号 |
26462785
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉岡 広陽 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (50523411)
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研究分担者 |
吉子 裕二 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (20263709)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Bone lining cells / エピジェネティクス / 骨形成 / 骨芽細胞 |
研究実績の概要 |
骨表面に並ぶBone lining cells(休止期骨芽細胞)は文字通り休止した骨芽細胞であると考えられていたが,近年,骨リモデリングの場の調整に働くことや,機械的刺激等により骨芽細胞へ再活性化する可能性が報告されている。本研究では,Bone lining cells を規定する分子基盤を解明し,骨芽細胞の活性休止と再活性化を自在に制御できるバイオ医薬技術の基礎開発を目的とする。 本年度は活性型骨芽細胞とBone lining cellsを区別して可視化できるマウス系統の樹立を試みた。まず,活性型骨芽細胞とBone lining cellsの細胞内小器官の発達の違いに注目し,Creリコンビナーゼを発現する組織において細胞膜またはゴルジ体をそれぞれVenusまたはmCherryで標識するレポーターマウスを導入した。これらのマウスに,I型コラーゲンプロモーターの下流にCreリコンビナーゼを連結した遺伝子を持つトランスジェニックマウスを交配させ,トリプルトランスジェニックマウスを作製した。このトリプルトランスジェニックマウスの骨から組織切片を作製し,共焦点蛍光顕微鏡により観察したところ,Venusのみ陽性の細胞(Bone lining cellsと考えられる)とVenusとmCherryの両方とも陽性の細胞(活性型骨芽細胞と考えられる)が認められた。また,このトリプルトランスジェニックマウスの頭蓋冠から骨芽細胞を単離し,初代培養したところ,蛍光標識が維持されており,培養系への応用が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
活性型骨芽細胞とBone lining cellsを区別して可視化できるマウス系統の樹立に想定以上の時間がかかり,詳細な分子機構の解析にまで到達できていない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に樹立したマウスを用い,Bone lining cellsの特性を組織学的ならびに分子生物学的解析により明らかにしていく。まず,成長や加齢による組織学的分布の変動を観察する。特に,Venus陽性をBone lining cells,VenusとmCherryの両方陽性を活性型骨芽細胞と考えているが,この理論通りであるのか,各種骨関連マーカーに対する抗体を用いた免疫組織染色により確認する。次に,Bone lining cells を規定する転写制御ネットワークの解明を目的として,次世代シーケンサーを用いた網羅的トランスクリプトーム解析を行う。Bone lining cellsの分化におけるマスター転写因子やエピゲノム制御因子となる固有分子を同定し,その発現の骨組織分布を明確にする。以上の実験から得られた結果をもとに,Bone lining cellsを骨芽細胞へと再活性化する機構の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究推進の遅れにより,使用予定であった試薬を購入しなかったことがあげれられる。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は本年度の研究費未使用額と合わせて,本年度に樹立したマウスを用い,機能的解析に研究費を使用する。具体的には,次世代シーケンサーによる網羅的トランスクリプトーム解析を行い(次世代シーケンサー解析関連費用 約80万円),得られた結果をリアルタイムPCR等を用いた発現解析により確認する(発現解析試薬 約10万円)。以上の解析をもとに,Bone lining cellsの固有分子について,骨組織分布を解析する(組織学的解析試薬 約20万円)。その他,マウス系統の維持管理(マウス飼育管理 約10万円),研究成果を学会にて発表する旅費(約10万円)として研究費を使用する。
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