研究課題/領域番号 |
26462790
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
笹平 智則 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90405374)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 新規マーカー / 浸潤・転移 |
研究実績の概要 |
がんを制御する上で、がんの浸潤・転移を抑制することは非常に重要である。がん研究の進展により、さまざまな分子標的治療薬の開発および臨床応用が開始されている。しかしながら現状において口腔癌に対する有用な分子標的診断・治療マーカーが存在しているとは言い難い。口腔癌に対して有用性の高い診断・治療標的マーカーの開発は急務の課題である。 申請者らが行った口腔癌における網羅的遺伝子発現解析により、多数の新規口腔癌関連遺伝子の候補が抽出されたが、高発現しているものの一つとしてN4BP2L1を同定した。N4BP2L1は鼻咽頭癌において高い発現を示すことが報告されているN4BP2のホモログであるが、がんならびに正常組織における発現と役割、機能についてはよく分かっていない。そこで口腔癌におけるN4BP2L1の機能について解析を行った。口腔癌細胞株においてN4BP2L1の発現は正常口腔粘膜と比較して有意に発現上昇しており、その発現はmiR-448により制御されていた。またN4BP2L1は口腔癌の浸潤能を調節することを見出した。口腔癌検体を用いた発現解析では、リンパ節転移症例ほどN4BP2L1が高発現していた。またN4BP2L1とmiR-448の発現レベルは逆相関していた。さらに多変量解析によりN4BP2L1の発現は口腔癌の独立した予後不良因子となることが明らかとなった。以上よりN4BP2L1は口腔癌の進展を予測する分子マーカーとしての役割と同時に分子治療標的としての有用性が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
N4BP2L1以外の新規マーカーの解析は、市販抗体が存在しない、複数のバリアントが存在するなどの理由により十分に行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、N4BP2L1以外の新規マーカーの発現・機能解析を継続して行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
N4BP2L1の発現・機能解析に手間取り時間が足りなかった。さらにその他の新規マーカーについては市販抗体が存在しないものが多かったために十分な解析を行えなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
新規マーカーについては抗体が手に入りやすいものに絞って解析を行うようにする。
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