申請者らは口腔癌に関連した複数の新たなマーカーを見いだした。STOX2は分泌タンパクであるMIAを介したパラクライン機構により発現調節され、その発現は口腔癌のリンパ節転移と相関し、さらに脈管新生を誘導する機能や抗がん剤に対する多剤耐性獲得能を有していた。LEMD1は、浸潤能の獲得ならびに口腔癌細胞とリンパ管・血管内皮細胞との相互作用により、口腔癌の進展・リンパ節転移、予後不良に関与することを見いだした。さらにPAUFは増殖・浸潤能とアポトーシス抵抗性の亢進により口腔癌のリンパ節転移と予後不良を促進すると同時に、シスプラチン耐性の獲得に関与していた。
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