研究課題/領域番号 |
26462792
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
|
研究分担者 |
自見 英治郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40276598)
板井 昭子 株式会社医薬分子設計研究所, その他部局等, その他 (60012647)
藤川 智行 株式会社医薬分子設計研究所, その他部局等, 研究員(移行) (30451074)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 口腔扁平上皮癌 / NF-κB / IκBキナーゼβ / IMD-056 |
研究実績の概要 |
口腔扁平上皮癌(OSCC)は口腔領域や頭頸部領域で良く見られる悪性腫瘍である。特に歯肉に発症した扁平上皮癌はしばしば上顎骨や下顎骨に浸潤し、予後不良となることが多い。近年の研究からOSCCの顎骨浸潤には癌細胞自身より破骨細胞が骨を吸収すると考えられている。転写因子NF-κBは口腔扁平上皮癌で恒常的に活性化されており、さらに口腔扁平上皮癌が浸潤能を亢進することに関わっている。NF-κBの活性化は、RANKL誘導性の破骨細胞形成にも重要である。そこで新規NF-κBの阻害剤がOSCCによる顎骨浸潤を抑制する効果について検討した。NF-κBの阻害剤はin vitroとin vivoにおいてOSCC細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを促進した。NF-κBの阻害剤はOSCCによるマトリックスメタロプロテアーゼの産生を抑制した。さらにNF-κBの阻害剤は動物モデルにおいてRANKLの発現を抑制することで破骨細胞形成を抑制した。従って、NF-κBの活性の阻害は、骨侵襲性のOSCCを治療するための有望な治療アプローチになりうる。
|