研究課題/領域番号 |
26462795
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
玉井 利代子 奥羽大学, 歯学部, 准教授 (90367566)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯周病原性細菌 / Porphyromonas gingivalis / 侵入 / C型レクチン受容体 / galectin-3 / galectin-1 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯周病原性細菌 Porphyromonas gingivalis による歯周組織構成細胞をはじめとした宿主細胞への侵入メカニズムと同菌侵入におけるC型レクチン受容体の果たす役割を明らかにすることを目的として、 galectin による P. gingivalis 侵入増加作用と P. gingivalis 侵入にかかわる宿主細胞のタンパク質分子の動態について探索する。その前段階として、 galectin による Ca9-22 細胞の活性酸素種産生に関与する Smad3 活性化と細胞傷害性の有無を検討した。その結果、(1) レコンビナント galectin-3 または galectin-1 (10 microgram/ml) 含有培地での90分間インキュベーションによる Ca9-22 細胞の Smad3 活性化はみられなかった。(2) galectin-3 または galectin-1 による Ca9-22 細胞の細胞傷害性はみられなかった。ゆえに、レコンビナント galectin-3 または galectin-1 単独では Ca9-22 細胞に対する細胞傷害性はなく、 P. gingivalis 侵入実験に用いることが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べた結果から、高濃度のレコンビナント galectin-3 または galectin-1 を用いた P. gingivalis 侵入実験が行える。
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今後の研究の推進方策 |
1.P. gingivalis の宿主細胞への侵入と細胞内における生存:PBS中でレコンビナント galectin と P. gingivalis を1時間, 37℃でインキュベーションで結合させた後、ヒト歯肉上皮癌細胞 Ca9-22 と90分間共培養する。その後、メトロニダゾールとゲンタマイシンを含む培地で侵入しなかった P. gingivalis を除去してから、蒸留水を加えて、 P. gingivalis を含むCa9-22細胞を溶解する。細胞溶解液を希釈後、ヘミン・メナジオン含有血液寒天培地に播種して黒色コロニーを数え、希釈倍数をかけて算定する。 2. 細胞骨格関連分子のリン酸化検出:1.と同様にレコンビナント galectin で前処理した P. gingivalis と無血清下で歯周組織構成細胞と共培養した後、ヒト培養細胞の全タンパク質を抽出し、ウエスタンブロット法またはELISA法でFAKやPI3Kなどの細胞骨格関連分子の活性化を検討する。 3.細胞表面分子等の発現変化の検討:レコンビナント galectin をヒト細胞と無血清下で培養して、菌体認識レセプターや接着分子、細胞骨格関連分子等の細胞表面または内部のタンパク分子の発現変化の有無をフローサイトメトリーまたはウエスタンブロット法で検討する。 4.C型レクチン受容体過剰発現または遺伝子ノックダウン宿主細胞株への細菌侵入の検討: Galectin-3 または galectin-1 過剰発現またはノックダウン宿主細胞株への P. gingivalis 侵入を1.と同様に検討し、野生型宿主細胞における同菌の侵入数と比較する。 5.C型レクチン遺伝子ノックダウンマウスの作製: Galectin-3 または galectin-1 欠損マウスをRNA干渉法で作製する。すなわち、購入可能である galectin-3 または galectin-1 siRNA と in vivo-jet を含んだ5%グルコース溶液をマウスの尾静脈または後眼窩静脈叢に数回投与した後、血清中の galectin-3 または galectin-1 を定量し、最も効率よくノックダウンできるsiRNA の濃度を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、高価なレコンビナント galectin を用いる頻度が高い。また、同タンパク分子は溶解後、保存期間が限られている。従って、次年度分のレコンビナント galectin 購入のために、平成26年度分の助成金を残した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降は、消耗品のみに助成金を使用する予定である。
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