歯周病細菌が産生する酪酸等の短鎖脂肪酸は、重度の歯周病患者の歯周ポケット内においては、健常人の10倍程度の高濃度で検出される。また、ヒト培養細胞にアポトーシスを起こす、バイオフィルム形成を促進する、感染ウイルスを活性化する等の作用が示唆されている。本研究課題では、酪酸産生酵素のリード化合物を利用した短鎖脂肪酸産生の抑制薬物の開発を目指すために、主に歯周病細菌における短鎖脂肪酸の産生酵素を単離精製し、その酵素学的な特徴を明らかにすることによって、酪酸およびプロピオン酸合成機構を分子レベルで明らかにした。
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