研究課題
本研究課題は骨細胞による破骨細胞形成に対してCCNファミリータンパク質 2/結合組織成長因子(CCN2/CTGF)がどのような作用を果たすのかをin vitro及びin vivoの実験系を用いて解析することを目的としている。平成28年度は本研究課題の最終年度であり、これまでの研究成果を総括すると共に老齢化したタモキシフェン誘導性CCN2欠損マウスの大腿骨から骨細胞様細胞を単離し、3次元培養後、破骨細胞形成における骨細胞様細胞を介したCCN2の役割を解析した。(1) 野生型及びタモキシフェン誘導性CCN2欠損マウスにタモキシフェンを投与し、6ヶ月後に骨細胞様細胞を単離した。それら細胞をコラーゲンゲル内で3次元培養したところ、野生型マウス由来の骨細胞様細胞と同様にCCN2欠失マウス由来の細胞においてもコラーゲンゲル内で細胞突起の伸長が見られた。(2) コラーゲンゲル内で3次元培養したCCN2欠損骨細胞様細胞上にCCN2欠損骨随細胞を播種し、M-CSF及びGST融合RANKL (GST-RANKL)で破骨細胞形成を誘導したところ、野生型同士が最も破骨細胞の分化に必須な転写因子であるNFATc1と分化マーカー分子であるカテプシンKの産生レベルが高く、CCN2欠損骨細胞様細胞及びCCN2欠損骨髄細胞の組み合わせが最もこれら分子の産生レベルの低下を引き起こした。 (3) 野生型骨細胞様細胞とCCN2欠損骨髄細胞の組み合わせの方が、その逆の場合よりもNFATc1及びカテプシンKの産生レベルが高いことを明らかにした。 (4)タモキシフェン投与1ヶ月後にマウス大腿骨を採取し、組織切片を作製すると、CCN2を欠失させていない野生型と比較して脛骨の関節軟骨の下側に見られる二次骨化部の骨梁の減少が見られ、その表現型はタモキシフェン投与6ヶ月後に採取した脛骨の二次骨化部においても確認された。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Osteoarthritis Cartilage
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