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2014 年度 実施状況報告書

神経伝達物質トランスポーター阻害効果に着目した新規神経障害性疼痛治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26462812
研究機関岡山大学

研究代表者

十川 千春  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10253022)

研究分担者 十川 紀夫  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (30236153)
森田 克也  広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (10116684)
小崎 健一  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50270715)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード疼痛治療薬 / 神経障害性疼痛 / モノアミントランスポーター / GABAトランスポーター
研究実績の概要

痛覚伝導路における神経伝達物質トランスポーターによる伝達物質の調節は疼痛制御にとって重要な役割を果たす。本研究では、疼痛制御に関わる神経伝達物質トランスポーターの中でもモノアミントランスポーターおよびGABAトランスポーターに焦点をあて、すでに鎮痛効果を見出している両トランスポーターに対する阻害効果を併せ持つ薬物NNC 05-2090の神経障害性疼痛への有効性を確立すると同時に、これら阻害効果の協調に基づく有効な神経障害性疼痛治療薬の開発と、疼痛発症後の病態変化に伴った神経伝達物質トランスポーターの発現機能変化の鎮痛効果に対する影響を調べることによって、歯科臨床上問題となる口腔領域に発症する難治性慢性疼痛に対する有効な鎮痛薬の開発と、治療薬選択のためのエビデンスを得ることを目的とする。
平成26年度は、坐骨神経部分結紮モデルにおける結果を参考に糖尿病性ニューロパチーにより出現する神経障害性疼痛に対するNNC 05-2090の鎮痛効果を検討した。さらに、急性炎症性疼痛に対する鎮痛効果も併せて検討した。また、NNC 05-2090の鎮痛効果以外の薬理学的性質を調べるため、抗うつ薬の副作用として出現率の高い消化管運動の抑制についても検討した。さらに、GATには4つのサブタイプが報告されている(GAT-1, GAT-2, GAT-3, BGT-1)。NNC 05-2090はその中でもBGT-1の阻害作用が比較的強いとされているが、サブタイプに対する特異性は低い。また、BGT-1の中枢での発現量は低いため、NNC 05-2090の鎮痛効果におけるBGT-1の関与について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の実施計画であった、NNC05-2090の神経障害性疼痛に対する鎮痛効果の検証およびBGT-1の関与についての検討、鎮痛効果以外の薬理的性質の検討を実施することが出来たため。

今後の研究の推進方策

平成27年度は、前年度の実施した研究を引き続き進めるとともに、神経障害性疼痛発症時のモノアミントランスポーター(MAT)およびGABAトランスポーター(GAT)の発現機能変化の検証と、MAT阻害濃度/GAT阻害濃度比に基づいた神経障害性疼痛治療薬開発の検討を行う。具体的には、GAT-1選択的阻害薬、SERT選択的阻害薬(SSRI)、NET選択的阻害薬、SERT/NET取込阻害薬(SNRI)それぞれ単独投与の場合の鎮痛効果を検討する。前年度の結果からBGT-1siRNAについても検討する。さらに、前述の阻害薬を組み合わせることによる鎮痛効果を検討する。その際NNC 05-2090におけるGAT、SERT、NET IC50比を考慮する。
以上の検討から、疼痛モデル動物に対するMATおよびGAT特異的阻害薬の併用による鎮痛効果を検討するとともに、神経障害性疼痛に対する鎮痛効果におけるMAT阻害濃度/GAT阻害濃度比と鎮痛効果の相関性を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度はNNC05-2090の薬理的性質の検討に時間を要し、BGT-1siRNAによる検討を次年度に行うこととしたため。

次年度使用額の使用計画

NNC 05-2090の鎮痛効果におけるBGT-1の関与について検討を引き続き行うため、BGT-1siRNAの設計と導入、動物実験を実施するため次年度使用額として340,676円を計上した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Antiallodynic action of 1-(3-9H-carbazol-9-yl)-1-propyl)-4-(2-methyoxyphenyl)-piperidinol (NNC05-2090), a betaine/GABA transporter inhibitor.2014

    • 著者名/発表者名
      Jinzenji A, Sogawa C, Miyawaki T, Wen XF, Yi D, Ohyama K, Kitayama S, Sogawa N*, Morita K.
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Sciences

      巻: 125 ページ: 217-226

    • DOI

      10.1254/jphs.13146FP

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Comparison of platelet serotonin transporter activity in subjects with severe sleep bruxism and control.2014

    • 著者名/発表者名
      Minakuchi H, Sogawa C, Hara ES, Miki H, Maekawa K, Sogawa N, Kitayama S, Matsuka Y, Clark GT, Kuboki T*.
    • 雑誌名

      Journal of Prosthodont Research

      巻: 58 ページ: 217-222

    • DOI

      10.1016/j.jpor.2014.06.003

    • 査読あり
  • [学会発表] NNC05-2090の抗アロディニア効果とその他の薬理作用について2014

    • 著者名/発表者名
      十川千春, 秦泉寺紋子, 大山和美, 森田克也,十川紀夫, 小崎健一
    • 学会等名
      第56回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡市)
    • 年月日
      2014-09-02
  • [産業財産権] 疼痛治療薬2014

    • 発明者名
      十川千春、秦泉寺紋子、十川紀夫
    • 権利者名
      十川千春、秦泉寺紋子、十川紀夫
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2014/063850
    • 出願年月日
      2014-05-28
    • 外国

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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