唾液腺再生の分子機構解明のため,ラット顎下腺主導管結紮―再開放系を用いた。主導管結紮により顎下腺は萎縮し,唾液分泌に関わる水チャネルAQP5発現は減少するが,PACE4発現は著しく誘導された。結紮1週間後に再開放し,更に2,4週間後に解析すると,雄性ラットでは再開放による顎下腺サイズ・重量の回復は不十分だが,AQP5発現の回復とPACE4発現の減少が認められた。雌性ラットでもAQP5発現の回復は認められ,雄性ラットより優位に顎下腺サイズ・重量が回復した。この雌雄差は一部,卵巣摘出ラットを用いた解析から発現パターンの変動が雄性ラット同様になることを見出している。
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