骨芽細胞が分化過程で発現するオステオポンチン(OPN)は、サイトカイン様の働きで慢性骨炎症性疾患の病態に関わる。骨芽細胞をJNK阻害下に分化誘導すると、OPNを高発現するが、後期分化マーカーであるオステオカルシン(OCN)の発現や基質石灰化能の低い分化骨芽細胞が出現した。また、JNK特異的フォスファターゼ欠損マウスでは、血清中OPN量は有意に低かった。さらにJNK活性抑制によって出現するOPN型骨芽細胞分化の制御因子として、Id4を同定した。骨芽細胞分化にはOCN型とOPN型の2つの分化様式が存在し、これは初期のJNK活性によって制御されるId4の発現量の増減で調節されている可能性がある。
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