本研究は、「生体内の唾液腺において腺房細胞内のCa2+はどのように変動し、唾液分泌に関わっているか?」を明らかにすることを目的とした。顎下腺全体(マクロ)および腺房細胞(ミクロ)の生体Ca2+イメージングを用いて、唾液分泌におけるCa2+応答と血流動態を同時に解析した。唾液分泌刺激薬により顎下腺全体で同期したCa2+オシレーションが観察され、このCa2+応答は高倍率レンズを用いた観察により腺房細胞でも観察された。またCa2+オシレーションに、血管収縮による血流変化が重要な役割を果たすことが明らかとなり、唾液分泌と腺房細胞のCa2+濃度の時間・空間的変化との関係に新たな知見を得ることが出来た。
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