人工ヌクレアーゼを用いたゲノム編集は、最新の遺伝子改変技術である。本研究では、第2世代のゲノム編集技術TALENと第3世代のCRISPR/Cas9を用い、歯根膜細胞の細胞外マトリックス分泌など、構成的な分泌機構の解明を目的とした。その前段階として、染色体を1セット(n)しかもたないHAP1細胞をモデル細胞として用い、構成的な分泌で重要な役割を果たすと予想されるSNAREファミリーの一員、SNAP23を選び、CRISPR/Cas9法で遺伝子KOを行った。その結果、SNAP23 KO細胞の増殖と構成的分泌に大きな異常が認められず、SNAP23はこれらの細胞過程に必須ではないことが明らかとなった。
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