癌の性状に影響を及ぼすとされる癌ニッチを構成する種々の細胞間の相互作用について検討した。骨髄(骨髄細胞)から誘導された血球系細胞(Lin+ 細胞)は、同じく骨髄から誘導された間葉系幹細胞により免疫抑制/抗炎症性マクロファージ(Mφ)すなわちM2-Mφに分化誘導された:MSCは自身の分泌するマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)を介して未分化のM2-Mφ前駆細胞の増殖を促進させた。さらにM2-Mφ前駆細胞との細胞間結合を介してM2-Mφへと分化誘導した。この結合には前駆細胞上のLFA-1とMSCのI-CAM-1が関与し、かくして、M2-Mφが癌の悪性化に関わる可能性が示唆された。
|