骨代謝におけるα1-アドレナリン受容体シグナルの生理的意義を検討した。その結果、α1-受容体遮断薬プラゾシンが骨形成を抑制して骨量を減少させること、α1B-受容体欠損マウスでも骨形成抑制による骨量低下を認めた。また、骨芽細胞においてα1-受容体作動薬フェニレフリンが細胞機能調節を担う転写因子CCAAT/enhncer-binding protein δ (Cebpd) 発現を増大させることも認め、このCebpd発現が骨芽細胞の増殖を制御している可能性を示した。これらの結果から、α1B-受容体シグナルが骨形成により骨量を制御し、Cebpd発現を介して骨芽細胞の増殖を制御している可能性を示した。
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