研究課題
非常に稀な常染色体優性の結合織の先天性疾患である Hajdu-Cheney 症候群は、末節骨の骨吸収、進行性の骨粗鬆症、頭蓋骨変形がみられる。2011 年に本症候群の原因 遺伝子として2つのグループから Notch2 の変異が報告された。最近、このNotch2変異を模倣したモデルマウスが作成され、Hajdu-Cheney 症候群の病態の責任遺伝子がNotch2であることが証明された。しかしながら、このNotch2 変異のHajdu-Cheney 症候群の病態形成における役割はらかになっていない。本年度は、Hajdu-Cheney症候群の患者から得られた末梢血の臨床サンプルの解析を行った。その結果、昨年度行ったin Vitro解析およびモデルマウスの解析を裏付けるNotch2のSkp1-Cul1-Rbx1-F-box(SCF)型FBW7ユビキチンプロテアソーム機構からの逸脱とそれに伴う安定化による破骨細胞分化の亢進を認めた。次に、これまで作成した破骨細胞特異的なFBW7コンディショナルノックアウトマウス(FBW7 cKO)において見られた破骨細胞の分化亢進による骨量低下の表現系が、Notch2の発現亢進が原因であるかどうかを確認するために、FBW7 cKOとNotch2-floxマウスとの交配を行なった。現在、本マウスの解析を行なっており、本マウスの解析からFBW7 cKOによる骨量の低下に関わる主たる分子が、Notch2の安定化によるものであることを証明できるものと考えている。今後の予定として、本研究助成を受け行なった治療モデルの効果に関する知財を特許申請するとともに、結果をまとめて論文として発表する予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)
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