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2014 年度 実施状況報告書

インターロイキン33による新しい歯周炎病態形成抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 26462834
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

大野 建州  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80435635)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードIL-33 / 歯周炎 / 歯肉炎
研究実績の概要

本研究の予備実験として行ったマウス歯肉内へのE.coli由来LPSの注射による歯肉炎および歯周炎モデルでは歯肉内注射後に血清中TNFa濃度が強く増強されることから、適正な歯肉炎および歯周炎モデルへ改良する必要があった。そこで、適正な歯肉炎モデルの確立を目的として、野生型BALB/cの第1大臼歯、第2大臼歯間の歯肉内へ加熱処理した1x10e8CFU P. gingivalis (P.g)を2日連続注射を行い、血清中TNFa濃度および歯肉組織内サイトカイン、ケモカイン発現量をELISA法およびリアルタイムPCR法を用いて評価した。最終歯肉内注射後24時間後では、血清中TNFa濃度の増強は認められず、一方、歯肉組織内IL-1b, IL-33, TNFa, RANTESの発現量増強が認められ、適正な歯肉炎モデルの確立ができたと考えられた。次に歯周炎モデルの確立を目的として、歯肉炎モデルと同様の方法でP.g歯肉内注射を2回/週x4週間行った。最終歯肉内注射から4週間後に歯槽骨吸収を評価したが明らかな歯槽骨吸収は認められなかった。一方で、P.g歯肉内注射後に血清中抗P.g特異的IgG抗体の増強が認められた。このモデルでは歯槽骨吸収は誘導でないものの、抗P.g特異的な免疫応答が誘導されていることが示唆された。そこで、野生型およびIL-33欠損マウスへ同様のP.g歯肉内注射を行い、血清中抗P.g特異的IgG抗体の測定を行った。IL33欠損マウスでは野生型と比較して血清中抗IgG1およびIgG2a抗体濃度が有意に高かった。IL-33欠損マウスでは野生型と比較して、P.g歯肉内注射後の抗P.g特異的な免疫応答が増強されていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年確立したP.g歯肉内注射による歯肉炎モデルは従来のLPS歯肉内注射による歯周炎モデルと比較して、血中TNFa濃度増強等がみられないことから、より適正な歯肉炎モデルとして評価することが可能である。次年度に計画しているIL-33欠損マウスを用いた解析を予定通りに遂行することが可能である。

今後の研究の推進方策

先行実験においてLPS歯肉内注射後の歯肉組織内炎症性サイトカイン発現量がIL-33欠損マウスでは野生型と比較して高いという結果が得られていたが、本年度確立したモデルでも同様な結果が得られるか確認を行う。また、歯周炎モデルに関しては、歯槽骨吸収を認めるようなモデルの確立が急務である。

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公開日: 2016-05-27  

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