研究課題/領域番号 |
26462835
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坂井 幸子 (林幸子) 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70397131)
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研究分担者 |
坂井 淳 新潟工業短期大学, 自動車工業科, 講師 (70425370)
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯 / マイクロCT / ミネラル密度 |
研究実績の概要 |
本学医歯学総合病院にて治療上の理由から抜歯に至った健全歯のうち,患者が廃棄処分を希望したものを試料として用いた.測定用ファントムと試料のエックス線横断断層像を同時に撮影することによって,ミネラル密度(MD)を定量的に測定するファントムを開発した.素材にはエックス線減弱が少ないアクリルを用いた.撮影時にはin vivoを想定し湿潤状態を維持し,乾燥アーチファクトと動揺によるリング状アーチファクトを避けるため,生理食塩水に浸漬したスポンジにて試料を固定し包埋した. キャリブレーション基準としてハイドロキシアパタイト(HAp)とリン酸水素二カリウム(K2HPO4)を用いた.K2HPO4は簡便で有用であるが,気泡が発生する問題を抱えるため,撮影毎に入れ替えることで問題の解決を図った.本研究では直径5μm以下のHAp粒子をファントムに用いた. μCTを用い,管電圧50kV,管電流800μA,ピクセルサイズ33μmとた.再構成には NReconを用いた.ビームハードニング補正は,アーチファクトが最小となるようにファントムで確認しながら設定した.再構成後の解像度は1024 x 1024,33μmピクセル,16bitのTIFとし,再構成による解像度の低下を避けるよう配慮した. 再構成後のデータを画像解析ソフトへエクスポートし,関心領域(ROI)を各濃度ファントム上に設定し画像輝度値を求めた.K2HPO4およびHAp濃度とROIの画像輝度値の間には十分な線形関係が成立することから相関式を利用し密度を算出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに試料準備,ファントムの設計と製作,キャリブレーション基準物質の検索,μCT撮影条件の確立,MDへの変換式および定量解析法の確立までを遂行し,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,MD分マッピングによる可視化,まとめおよび成果発表を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本学現有のμCT装置を使用したためコストが低く抑えられたこと,ファントムの製作材料費と撮影用治具材料費が当初想定していたよりも下回ったことから,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度分と次年度使用額と合わせ,研究計画書に従い研究を遂行する.
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