研究課題
本学医歯学総合病院にて治療上の理由から抜歯に至った健全歯のうち,患者が廃棄処分を希望したものを試料とした.測定用ファントムと試料のエックス線横断断層像を同時に撮影することによって,ミネラル密度(MD)を定量的に測定するファントムを開発した.素材にはエックス線減弱が少ないアクリルを用いた.撮影時にはin vivoを想定し湿潤状態を維持し,乾燥アーチファクトと動揺によるリング状アーチファクトを避けるため,生理食塩水に浸漬したスポンジにて試料を固定し包埋した.キャリブレーション基準としてハイドロキシアパタイト(HAp)とリン酸水素二カリウム(K2HPO4)を用いた.K2HPO4は簡便で有用であるが,気泡が発生する問題を抱えるため,撮影毎に入れ替えることで問題の解決を図った.本研究では直径5μm以下のHAp粒子をファントムに用いた.μCTを用い,管電圧50kV,管電流800μA,ピクセルサイズ33μmとした.再構成には NReconを用いた.ビームハードニング補正は,アーチファクトが最小となるようにファントムで確認しながら設定した.再構成後の解像度は1024 x 1024,33μm/ピクセル,16bitのTIFとし,再構成による解像度の低下を避けるよう配慮した.再構成後のデータを画像解析ソフトへエクスポートし,関心領域(ROI)を各濃度ファントム上に設定し画像輝度値を求めた.K2HPO4およびHAp濃度とROIの画像輝度値の間には十分な線形関係が成立することから相関式を利用し密度を算出した.得られたMD分布をカラーマッピングし可視化を行った.組織学的背景やMD関与することによって結果として力学的特性が表出するのかを読み取り相関性を明らかにし,研究成果として論文に発表した.
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実験力学
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http://researchers.adm.niigata-u.ac.jp/html/100000265_ja.html