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2015 年度 実施状況報告書

口腔扁平苔癬発症におけるインフラマソームの関わり

研究課題

研究課題/領域番号 26462842
研究機関高知大学

研究代表者

北村 直也  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (70351921)

研究分担者 山本 哲也  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00200824)
笹部 衣里  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (40363288)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードインフラマソーム / 口腔扁平苔癬
研究実績の概要

【目的】本研究では口腔粘膜細胞において歯科用金属がインフラマソームの活性化を惹起するかどうかを検討する。【材料および方法】不死化正常口腔粘膜細胞RT-7細胞を歯科用材料に使用される4種類の金属(塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化パラジウム、塩化アルミニウム)で処理し、インフラマソーム活性化に伴い誘導されるIL-1βの産生レベルへの影響をELISA法にて検討するとともに、増殖能への影響をWST-1 assayにて、アポトーシスへの影響をAnnexinV-PIによるフローサイトメトリーにて検討した。【結果】RT-7細胞において、塩化ニッケル、塩化アルミニウム処理により濃度依存性にIL-1βの産生レベルが亢進した。塩化ニッケル、塩化アルミニウムはほとんど細胞死を誘導しなかったが、高濃度(250,500μM)の塩化パラジウム、塩化亜鉛処理は、RT-7細胞にアポトーシス、ネクローシス共に誘導した。4種類の金属は濃度依存性にRT-7細胞の増殖を抑制したが、増殖抑制効果は塩化パラジウム、亜鉛処理でより顕著であった。Western blottingで、各種金属処理によるカスパーゼ1のcleavageが確認された。カスパーゼ1阻害剤であるAc-YVAD存在下では、金属処理によるIL-1βの産生誘導は阻害された。さらに、塩化ニッケルを除く、塩化パラジウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム処理によりスーパーオキシドの産生レベルが亢進した。【考察】口腔粘膜ケラチノサイトの細胞内に取り込まれた金属イオンはミトコンドリアの活性酸素レベルを上昇させインフラマソームを活性化し、細胞外へとIL-1βの分泌を誘導し、口腔粘膜疾患の病態形成に関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度予定した研究計画は遂行できたと判断したため

今後の研究の推進方策

上記実験により明らかになった歯科用金属によるインフラマソーム活性化におけるNLRP3の機能を明らかにするため、NLRP3をsiRNAにてノックダウンした系を用いて同様の実験を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 口腔粘膜細胞における歯科用金属のインフラマソームへの影響2016

    • 著者名/発表者名
      笹部衣里・仙頭慎哉・北村直也・山本哲也
    • 学会等名
      第70回日本口腔科学会学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2016-04-16 – 2016-04-17
  • [学会発表] 口腔扁平苔癬の病態形成におけるインフラマソームの関わり2015

    • 著者名/発表者名
      笹部衣里、浜田真友子、CHONG LI、冨田理生、仙頭慎哉、山本哲也
    • 学会等名
      第25回日本口腔内科学会学術集会
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター
    • 年月日
      2015-09-18 – 2015-09-19

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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