口腔扁平苔癬(OLP)の病因は未だ明らかにされていないが、局所におけるサイトカインの亢進に基づく粘膜上皮細胞に対する過剰な免疫応答の可能性が示唆されている。そこで、本研究では外来性および内在性の危険分子を認識してCaspase-1を活性化し、IL-1β、IL-18の分泌、さらには、細胞死を促す細胞質内タンパク質複合体であるNLRP3インフラマソームの活性化がOLPの病態形成に関与しているのかを検討した。その結果、口腔粘膜上皮細胞およびマクロファージにおいて金属ナノ粒子がインフラマソームを活性化し、IL-1βの分泌を誘導することが明らかとなった。
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