研究課題/領域番号 |
26462844
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高木 幸則 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (30295084)
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研究分担者 |
中村 英樹 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10437832)
佐々木 美穂 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (10437874)
中村 卓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30172406)
角 美佐 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (90284702)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | シェーグレン症候群 / 超音波 / 診断基準 |
研究実績の概要 |
2012年、SICCA(Sjogren's International Collaborative Clinical Alliance)からシェーグレン症候群(SS)のACR診断基準が提起された。自覚症状を省き、診断基準が客観的検査3項目と大幅にスリム化された分、これまでSSと診断されてきた患者がSSと診断できない、またSSの初期患者を非SSと誤って診断してしまう恐れがあるなど、各国から様々な問題点が指摘されている。 そこで本研究では、これら問題点の改善を目的に、超音波画像診断を用いたSSのACR診断基準の修正案を作成したく超音波の有用性を様々な角度から検証し、研究期間内に以下の研究成果を得た。 まずはじめに、我々がこれまでに発表したSS診断における超音波診断基準を用い、ACR診断基準に含まれる各項目との比較・検討を行った。その結果、超音波はACR診断基準に含まれる各項目とほぼ同等の診断能を有し、口脣腺生検など侵襲性のある検査の代わりとして、十分利用できることが証明できた。 続いて当院の口腔乾燥症外来にて各種治療を行ったSSおよび非SS患者を対象に、得られた超音波画像から耳下腺ならびに顎下腺の重症度判定(Grade 0ーGrade 4)を行い、両腺のGradeの合計を唾液腺超音波スコア(0ー8)とした。そして重回帰分析によって治療効果(唾液分泌増加量)の予測因子の検証を行ったところ、SS患者においては、各種予測因子(AECG基準による確定診断、その他膠原病の合併、治療期間、年齢、性別、初診時唾液量)の中で唾液腺超音波スコアが最も治療効果と関連が大きいことが証明できた。 これらの結果より、診断だけではなく、治療効果の予測にも有用である超音波が今後ますますその存在価値を増し、近い将来再び改訂されるであろうSSの診断基準作成に大きく貢献するものと確信した。
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