研究課題/領域番号 |
26462849
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
今井 優樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30440936)
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研究分担者 |
太田 里永子 愛知県がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (30452460)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯周病 / 腹膜透析 |
研究実績の概要 |
昨年から腹膜透析患者の腹膜透析排液サンプルを収集し、歯周病原因菌の感染と腹膜透析患者の腹膜障害の進行との関連性及びそのメカニズムを解明するため、 腹膜透析患者から得られた腹膜透析排液に歯周病原因菌が検出できるかどうかを試みた。今年度も新たに得られた腹膜透析排液サンプルからバクテリア感染の有無を調べたところ、94名中35名(37%)が細菌感染は陰性であったが、残りの48名は何らかの細菌感染があったが、歯周病原因菌であるP. gingivalisは検出できかなった。主な細菌は、常在菌であるcoagulase-negative staphylococci(14.9%)、Staphylococcus属(13.8%)、Enterococcus属(7.4%)であった。また、サンプルの増加に伴い、腹膜透析継続患者と離脱患者の腹膜透析排液中の補体活性化レベルを再検討したところ、腹膜透析継続患者と離脱患者のday3及びday5では腹膜透析排液中のアナフィラトキシンの濃度に有意な差が見られなくなった。しかしながら、day1では腹膜透析継続患者のC4a値が離脱患者と比較すると有意に高く、補体古典経路が早期に活性化されると予後が良くなる可能性が示唆された。一方、C5a,C4a及びC3aとIL-6やCRPなど他の炎症マーカーと比較したところ相関が見られず、独立した動態をとることが明らかになった。今後は歯周病原因菌に対する血中抗体価を測定し、腹膜透析治療期間及び腹膜障害パラメータとの関連を比較して検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腹膜透析排液の検体を集めることができたので限られた検体の中で研究は進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
より正確なデータを得るために引き続き腹膜透析排液検体を集め、本年度と同様の実験を行う。また、歯周病原因菌に対する血中抗体価を測定し、腹膜透析治療期間及び腹膜障害パラメータとの関連を比較して検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の予定との兼ね合いで学会に出張することができず、計上していた旅費が残金となった。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費はこれまで通り、研究試薬を中心に使用し、研究成果を学会および論文で発表する経費に充てる。
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