研究課題/領域番号 |
26462852
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
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研究分担者 |
太田 亨 北海道医療大学, 個体差健康科学研究所, 教授 (10223835)
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
齊藤 正人 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50337036)
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | DNAメチル化 / エピジェネティック / シェーグレン症候群 / 炎症性疾患 / 口腔 |
研究実績の概要 |
シェーグレン症候群患者から採取された下口唇の生検材料と非炎症性の唾液腺(粘液嚢胞摘出材料に含まれている口唇腺で病理組織学的に炎症のないもの:コントロール)から採取された材料を用いてDNAのメチル化解析を行った。本研究はパラフィン切片を用いるために、DNA保存状態および実験手技を再確認するために、これまで報告されている遺伝子をターゲットしてDNAメチル化の程度を、real-time PCRを用いたメチル化特異的PCR法、Site-specific DNAメチル化検出法により解析した。ターゲット遺伝子として、FOXP3 (Clin Immunol 2013)とIRF ( Clin Exp Immunol 2014)、さらにわれわれが最近のin vitroの研究の網羅的解析で新たに発見したKlothoの高メチル化についても同様に検討を行った。FOXP3は遺伝子サンプル10検体の内4検体に、IRFは5検体に有意な高メチル化が認められた。また、Klothoはサンプル10検体の内、4検体に高メチル化が確認された。3つの遺伝子すべてで高メチル化が求められたものは3検体であった。これらのことから、現時点は、シェーグレン症候群にはメチル化をはじめとするエピジェネティックスが病態の発症や進行に関わっているのといないもののあることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、初めから、メチル化シトシンに対する親和性の原理とマイクロアレイを組み合わせたmethylated DNA immunoprecipitation (MeDIP)-Chip法 によって網羅的DNAメチル化プロフィール解析は行う予定であった。しかしながら、この1年でシェーグレン症候群の発症、進行にDNAメチル化エピジェネティックの関与を示唆する報告がなされたため、今後の研究に無駄がでないように、先行研究の再現性の確認を行いながら、網羅的解析にむけたサンプル選別をする必要が生じた。結果的に遠回りにはなったが、今後の研究を進める上での無駄を省けて、より確実な研究結果を導きだせるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究で、網羅的解析のためのサンプルの選別はほぼ終了したため、当初の予定どおり、DNAメチル化の網羅的解析を開始する。 すなわち、 選別されたシェーグレン症候群の材料10サンプルとコントロール材料10サンプルそれぞれからDNAを抽出する。シェーグレン症候群10サンプルを混合して1つのサンプルとし、同様に、コントロール10サンプルも混合して1サンプルとする。網羅的DNAメチル化プロフィール解析は、メチル化シトシンに対する親和性の原理とマイクロアレイを組み合わせたmethylated DNA immunoprecipitation (MeDIP)-Chip法 によって行う。また、マイクロアレイによって絞られたターゲット遺伝子の信頼性を確認するために、シェーグレン症候群とコントロール群からのそれぞれのDNAサンプルを用いて行う。方法には、メチル化特異的PCR法 、Site-specific DNAメチル化検出法 、COBRA法によってメチル化異常遺伝子の領域を確定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、初めから、メチル化シトシンに対する親和性の原理とマイクロアレイを組み合わせたmethylated DNA immunoprecipitation (MeDIP)-Chip法 によって網羅的DNAメチル化プロフィール解析は行う予定であった。しかしながら、この1年でシェーグレン症候群の発症、進行にDNAメチル化エピジェネティックの関与を示唆する報告がなされたため、今後の研究に無駄がでないように、先行研究の再現性の確認を行いながら、網羅的解析にむけたサンプル選別をする必要が生じた。その結果、当初の予定より研究の進行がやや遅れたことが、次年度使用額が生じた理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度より、初年度に行う予定であったDNAメチル化の網羅的解析を開始する為、こちらで使用していく計画である。
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