研究課題/領域番号 |
26462856
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
佐野 司 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (40241038)
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研究分担者 |
音成 実佳 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30276604)
高橋 哲 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60226850)
和光 衛 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (70211670)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 顎関節 / 円板後部組織 / MRI / FLAIR画像 / 疼痛 |
研究実績の概要 |
顎関節症の患者の約 80%に円板転位が認められ、円板転位と疼痛とが以前より強く関連付けられてきた。しかし、無症状者の約 30%に円板転位が見られることから、疼痛の原因が、円板転位そのものではなく、転位により二次的に生じた病態と関連していることが示唆されている。特に関節円板の後方に連続する円板後部組織は、血管や神経に富んだ組織であり、二次的にこの部に障害および疼痛が惹起されていると考えられる。一方、円板後部組織の MRI での非侵襲的な評価は行われているが病的変化の詳細については明らかにされていない。本プロジェクトでは、脳内の病変診断のために開発された FLAIR 法を応用することにより円板後部組織の病態を検出することを目的とし、最終的に顎関節症の疼痛の新たな MRI 診断法を開発することを目的とする。本年度は昨年度に引き続き、疼痛を伴う関節円板後部組織のFLAIR信号は、疼痛を伴わないものに比べ上昇することをひき続き検討した。また、顎関節円板後部組織における血管の形態および走行がおよぼすMR画像への影響について同部の血流や血液量のみでなく、炎症性のタンパク等の存在が疼痛にどのように関与するかを、引き続き検討している。さらに、昨年度に引き続き顎関節円板後部組織におけるFALIR画像への組織学的変化の影響について、MR画像上でのFLAIR信号とT2信号との違いを検討し、血管や組織間液の存在を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
疼痛を伴う関節円板後部組織のFLAIR信号は、疼痛を伴わないものに比べ上昇することの検討、顎関節円板後部組織における血管の形態および走行がおよぼすMR画像への影響について同部の血流や血液量のみでなく、炎症性のタンパク等の存在が疼痛にどのように関与するかの検討、顎関節円板後部組織におけるFALIR画像への組織学的変化の影響についての検討について引き続き検討する必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、下記、検討を行う。関節円板の後方に連続する円板後部組織は、血管や神経に富んだ組織であり、二次的にこの部に障害および疼痛が惹起されていると考えられる。顎関節円板後部組織における血管の形態および走行がおよぼすMR画像への影響について、同部のMR画像上でのFLAIR信号とT2信号との関連を検討することで、同部の血流や血液量のみでなく、炎症性のタンパク等の存在が疼痛にどのように関与するかを、検討する予定である。さらに、顎関節円板後部組織におけるFALIR画像への組織学的変化の影響については、MR画像上でのFLAIR信号とT2信号との違いを検討することで、血管や組織間液の存在を詳細に解明できる可能性を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査および研究打ち合わせおよび研究成果報告が平成27年度から平成29年度に変更となった。よってそれらに係る旅費等の支出が平成27年度から平成29年度になる予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の理由の通り、調査および研究打ち合わせおよび研究成果報告が平成27年度から平成29年度に変更となった。よってそれらに係る旅費等の支出が平成27年度から平成29年度になる予定である。
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