今回の研究は、臨床的に採取された口腔粘膜の異形成病変および扁平上皮癌の生検検体・切除検体を研究対象とし、免疫組織化学的手法により、口腔粘膜の非腫瘍性上皮から異形成上皮、さらに発癌に至る過程における、細胞性免疫反応を検討することを目的としている。 昨年度までに、症例ごとの再発・転移・再発等の臨床データを連結不可能に匿名化された状態で収集し終え、細胞性免疫反応に関連したマーカーの免疫染色を、異形成上皮および扁平上皮癌の症例で行った。 本年度は、作成した標本を、高解像度バーチャルスライドスキャナ(NanoZoomer:浜松ホトニクス社製)で高解像度画像を取得し、その画像をデジタル病理イメージング解析システム(Tissue Studio Ver.3.5: Definiens社製)を用いて、間質や腫瘍内へのリンパ球浸潤数の計測を行い、比較検討を行った。
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