舌の上皮性異形成の症例を用いて検討を行った。症例を高度異形成・軽度異形成の二群に分類し、細胞傷害性T細胞などの免疫担当細胞の免疫染色を行った。上皮内および上皮下結合組織へのリンパ球浸潤数と臨床経過との関連について検討した。また、異形成病変と良性炎症性病変の比較目的に、口腔扁平苔癬症例でも検討を行った。 軽度異形成では、高度異形成よりも、上皮内へのリンパ球浸潤(CD8,CD4陽性細胞)が多い傾向がみられた。経過観察中に、軽度異形成から高度異形成へ変化した症例においても、上皮内へのリンパ球浸潤数が減少する傾向がみられた。口腔扁平苔癬との比較では、上皮内へのリンパ球浸潤数に有意差はみられなかった。
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