研究実績の概要 |
C5a受容体のアゴニストリガンドであるC5aを大腸菌の系でリコンビナントタンパク質として準備した。一方、C5a受容体のアンタゴニスト・アゴニストリガンドRP S19多量体の機能体としてRP S19のC末端12アミノ酸をリコンビナントC5aのC末端に連結したC5a/RP S19を準備した。C5aとC5a/RP S19を好中球と反応させ、C5a受容体以外にリガンドと結合する蛋白質をプロテオミクス法で、デルタラクトフェリンと同定した。この結果は、The roles of ribosomal protein S19 C-terminus in a shortened neutrophil lifespan through delta lactoferrin. Nishiura H, Yamanegi K, Kawabe M, Kato-Kogoe N, Yamada N, Nakasho K. Immunobiology. 2015 Sep;220(9):1085-92.で報告した。結果として、RP S19のC末端が好中球に特異的に発現するアポトーシス誘導の転写因子を活性化するためにアンタゴニストと働くことが判明した。同様に、マクロファージでC5a/RP S19と特異的に結合する蛋白質をプロテオミクス法で、アネキシンA3と同定した。この結果は、Annexin A3 plays a role in cytoplasmic calcium oscillation by extracellular calcium in the human promyelocytic leukemia HL-60 cells differentiated by phorbol-12-myristate-13-acetate. Nishiura H, Yamanegi K, Kawabe M, Kato-Kogoe N, Yamada N, Nakasho K. Exp Mol Pathol. 2014 Oct;97(2):241-6.で報告した。結果として、RP S19のC末端がマクロファージに特異的に発現する細胞膜カルシウムチャンネル因子を活性化するためにアゴニストと働くことが判明した。
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