研究課題
Ⅰ型アテロコラーゲンを塩酸に溶解し、塩化カルシウム、リン酸カリウム緩衝液およびトリス緩衝液を加えてインキュベート後、吸引ろ過してEDCまたはアスコルビン酸/塩化銅で架橋し、水洗、凍結乾燥してナノハイドロキシアパタイト/コラーゲン膜とした。硬化させた5×5mmの4-META/MMA-TBBレジン(スーパーボンド)ブロックにメーカー指定の粉液比で混和したスーパーボンドを塗布し、さらにEDCまたはアスコルビン酸で架橋したナノハイドロキシアパタイト/コラーゲン膜で被覆した。レジン硬化後にrhBMP-2(Infuse)を膜に含浸させて移植試料とした。10週齢ラット背部皮下結合組織内に試料を移植、観察期間を4週とし、脱灰薄切標本を作製してヘマトキシリンエオジン重染色して、スーパーボンドとナノハイドロキシアパタイト/コラーゲン膜との界面を観察するとともに、骨形成量を計測した。計測結果はMann-Whitney U検定を行った。その結果、EDC架橋、アスコルビン酸/銅架橋のナノハイドロキシアパタイト/コラーゲン膜のいずれもスーパーボンドとの界面に骨形成が認められたが、アスコルビン酸/銅架橋の方が骨基質とスーパーボンドとの接触はより多く観察された。新生骨は梁状で類骨を含んだ幼弱な骨で、骨形成量はEDC架橋の方がアスコルビン酸架橋より有意に多かった(p=0.046)。このことから4-META/MMA-TBBレジン上にrhBMP-2で誘導された骨は、直接レジンと接することが可能であること、担体に用いるナノハイドロキシアパタイト/コラーゲン膜はEDC架橋の方が骨形成量は多くなるが、レジンとの界面における骨形成にはアスコルビン酸/銅架橋の方が有効である可能性が示された。
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北海道歯誌
巻: 37 ページ: 18-26
Dent Mater J
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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巻: 59 ページ: 351-358