象牙芽細胞の前駆細胞である不死化マウス歯乳頭(mDP)細胞の細胞外Ca2+によるFgf-2遺伝子の発現増強機構について解析した。PKA阻害剤で前処理すると細胞外Ca2+によるFgf-2遺伝子の発現増強は抑制された。さらに、細胞外Ca2+刺激はMAPキナーゼp38およびERK1/2のリン酸化を誘導した。そこでp38およびERK1/2阻害剤で細胞を前処理したところ、ERK1/2阻害剤で前処理した場合のみ細胞外Ca2+によるFgf-2遺伝子の発現増強は抑制された。以上のことから、細胞外Ca2+はPKAおよびMAPキナーゼERK1/2を介してmDP細胞のFgf-2遺伝子発現を増強することが示唆された。
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