研究課題
歯内疾患は根管内に生息する多種多様で、多量な細菌により惹起される、とされている。したがって、根管内に生息する細菌を質的ならびに量的に把握することが重要とされている。本研究は、近年、注目を集めているメタゲノム解析法を応用して、精密で、高感度な細菌検査法によって、治療対象の根管内細菌叢を、モニタリングすることを目指すものである。感染根管内試料を対象として、効率的な質的ならびに量的解析の実験条件の検討を行った。東北大学病院を受診した患者からインフォームドコンセントを得た後に、感染根管治療時に、根管象牙質を採取した。16S rRNA遺伝子を標的とし、454 Genome Sequencer FLX systemによってpyrosequencingを行った。治療の初回の試料の優勢菌は、Actinomyces(30%),Olsenella(13%), Streptococcus(12%), Pyramidobacter(9%),Prevotella(6%),Pseudoramibacter(4%),Eubacterium(4%),Abiotrophia(4%),Bacillus(3%),Porphyromonas(2%),Enterococcus(1%),Tannerella(1%),Atopobium(1%)であった。また、治療が進んだ段階の試料では、Streptococcus(37%),Actinomyces(10%),Prevotella(10%),Eubacterium(5%),Neisseria(4%),Olsenella(4%),Propionibacterium(3%),Fusobacterium(3%),Peptostreptococcus(2%),Bergeyella(2%),Oribacterium(2%),Porphyromonas(1%),Tannerella(1%),Helicobacter(1%),Veillonella(1%),Enterococcus(1%)が優勢であった。本研究によって歯内疾患に関わる根管内に生息する細菌叢構成が明らかとなった。
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J Health Sci Niigata Univ
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Intelligent Automation & Soft Computing
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10.1080/10798587.2017.1348459