研究課題/領域番号 |
26462872
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
和達 礼子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (00334441)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯内治療学 |
研究実績の概要 |
近年、実体顕微鏡、ニッケルチタン製の根管治療用器具、歯科用CT等が導入され、歯内治療の世界では大きな変革が生じている。それらにより処置の精度や成功率は向上しており、欧米では一般開業歯科医とは別に歯内治療を専門とする歯科医師が存在しており、抜髄症例では治癒率は100%近いことが示されている。しかしながら、我が国においては歯内治療の標榜はみとめられておらず、大多数の歯科治療は一般開業歯科医師により保険診療の下で行われている。最近は歯科医師ならびに患者の意識が高まり、より高度な歯内治療を求める傾向にある。大学病院の歯内治療専門外来には、一般開業歯科医師からの依頼が年々増加している。 申請者はこれまでに、大学病院の歯内治療専門外来に来院する患者の症例の来院理由を調査し、近年の傾向を明らかにしてきた。本研究はさらに、一般歯科から専門外来に依頼される症例を分析することで、現在わが国で行われている歯内治療で不足しているものを明らかにする。その結果を一般開業歯科医師にフィードバックし、処置のレベル向上を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに一般開業歯科医師から依頼された難症例から得られた知見、すなわち難症例となるものの特徴、一般歯科医師が習得しておくべき知識あるいは技術については、いくつかの雑誌にて発表し啓蒙に努めた、。 平成28年度の研究にはやや遅れが生じている。母の死後独居していた父が従前から患っていた難病指定の頸椎後縦靭帯骨化症ならびに認知症が進行し、食事や排せつに介助が必要になった。父の介護や通院と大学勤務の両立が困難になり、平成28年3月末で大学の常勤職を退職し非常勤講師となった。このため、研究の遂行が難しくなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の基本的な方向性は、当初と変えない。 今後は非常勤講師として研究機関に赴き、研究を遂行する予定である。限られた時間で効率よくデータを収集できるよう、初診来院した全患者ではなく、他歯科医院から依頼された症例に限定する予定である。 また、現在は根管治療専門の個人歯科医院を開院しているので、それを生かしたいと考えている。自院に来院する患者の来院理由や、他個人歯科医院からの依頼理由をまとめることにより、大学病院とは異なる母集団から新たな知見が得られることが期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
母の死後独居している父の身体状況が悪化し、食事、排せつ、通院に介護が必要な状況になった。このため大学での常勤職との両立が困難となり、昨年度末に大学を退職した。現在は非常勤講師となったため、常時研究に従事することが出来ず、研究に遅れが生じている。このため、次年度使用額が生じ、研究期間の延長を申請した。
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次年度使用額の使用計画 |
申請者は研究を遂行するために、研究期間の延長を申請した。本年度に引き継がれた助成金の残額は、研究の遂行、学会発表のための旅費、学会誌投稿・掲載のための印刷代などに充当する。
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