本研究の目的は、これまでの細菌を標的とした殺菌効果に頼ったバイオフィルム(BF)制御から、マトリックスを標的とした抗菌成分に頼らない新しい制御法への戦略の転換の必要性を提言するとともに、BFの剥離・分散効果に主眼を置いた新しいBF制御法を開発することであった。 口腔内環境を再現した細菌培養システムと共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光イメージング法により、殺菌効果に頼ったBF制御の弊害を明らかにした。 そして、新しいコンセプトに基づくバイオフィルム制御剤の開発を進めた結果、細菌増殖に影響を与えることなく、BFの分散・剥離効果ならびに付着抑制効果を有する機能性糖脂質を見出した。
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