歯肉縁上バイオフィルムを可及的に再現することができるin situバイオフィルムモデルを用いて,デンタルバイオフィルム形成過程における構成細菌種の経時的動態を検索した。その結果,通性嫌気性菌が主体であった細菌叢が,バイオフィルムの成熟とともに偏性嫌気性菌の割合を増すことが明らかとなった。一方,菌体外多糖の形成量は経時的に増加し,また形成量に経時的な変化を認める糖成分があったが,一定の傾向は認めなかった。また,新たな走査型電子顕微鏡観察法であるイオン液体を用いた方法において,バイオフィルム観察に適するイオン液体の評価を行った。
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