高周波/電磁波治療を深在性齲蝕へ応用するにあたり、生体に対する効果と影響を解明する必要がある。高周波/電磁波はジュール熱を発生するため殺菌作用とともに組織為害作用があると考えられるが、少し離れたところでは生体の細胞、とくに硬組織形成細胞の活性化を促進することを見出した。しかし、象牙細管内細菌殺菌および静菌効果については、それほどの作用は示さず、さらなる出力および照射条件の探索が求められた。深在性齲蝕では菌体成分が象牙芽細胞に作用し起炎すると考えられるが、自然免疫機構で重要な働きをするパターン認識受容体が象牙芽細胞に存在し、菌体成分と結合することにより、ケモカインを産生することを明らかとした。
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