歯髄保存療法剤として水酸化カルシウム製剤が使用されている.しかし,その高いアルカリ性のため炎症反応や被蓋象牙質の質や形成に要する期間などを考慮すると,改善点は多い.一方,ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)は,悪性腫瘍に対する分子標的薬剤として用いられているが,近年,骨芽細胞の骨形成を促進し,破骨細胞の分化を著しく阻害することが報告されている.本研究では,エピジェネティックス修飾に関わるHDACiのMDPC23細胞に対する分化誘導について検証した.HDACiは,MDPC23細胞の修復組織形成に関与している遺伝子発現の上昇,石灰化能を促進させることが示唆された.
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