研究課題
CR修復では、象牙質中に存在するMatrix Metalloproteinase(MMP)が活性化するとコラーゲン繊維を消化・吸収し、接着構造体の長期的な崩壊を招く。クロルヘキシジン(CHX)はMMPの抑制に有効であるが、親水性であるため有用性が低い。そこで、重合性メタクリル酸第四級アンモニウム(QAM)をCHXの代用としてボンディング材に混入する方法を考えた。初年度の研究結果を基に、2種類のQAM、METMAC(2-(Methacryloxy)ethyl]trimethylammonium)およびMCMS(Methacryloxyl choline methyl sulfate)を合成し、濃度10%試料を調整した。試料として象牙質レジン接着構造物を作製し、小型卓上試験機を用い、速度1 mm/min、n=10の条件で接着性試験を行った。24時間後の接着性試験(MPa)の結果は、Control群が19.33±2.45(AV±SD)、METMAC群が15.80±3.73、MCMS群が14.51±1.44であり、Scheffeの検定の結果、Control群とMETMAC群およびMCMS群の間に有意差が認められた。これは27年度の結果と異なるが、2種類のQAMは共に最低限必要な接着力を有すると判断した。1年後の接着性試験の結果は、Control群が15.75±2.02、METMAC群が13.60±354、MCMS群が12.71±1.70であり、各群の24時間後の測定値に対する接着力保持率は、それぞれ81.46%、86.08%、87.60%であった。Scheffeの検定の結果、Control群とMETMAC群およびMCMS群のに有意差が認められ、METMACおよびMCMSのMMP抑制効果が示された。しかしながら、1年後の接着性試験自体の接着力はControl群が最も高かった。
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