研究実績の概要 |
本研究では, ヒト骨格筋幹細胞による歯髄細胞分化過程におけるオートファジー必須遺伝子LC3とAPG5の機能解析を生化学的手法(細胞増殖能, ELISA, アポトーシス, RT-PCR法による遺伝子解析, 蛍光免疫染色, ALP染色, アリザリンレッド染色, ウエスタンブロット法, 細胞接着能と細胞運動能の解析など)ならびにFACS(フローサイトメーター)を用いて基礎的検討を行う. さらに, ラットを用いたin vitroにおいて, 摘出した歯を基盤鋳型として, オートファジー制御による再細胞化した歯髄組織の再生を観察することで, 従来の歯髄保存治療であるう蝕治療法や覆髄法に代わる新規な歯髄再生モデルを構築することを研究目的とする. 平成28年度の具体的到達目標は, ヒト骨格筋幹細胞由来象牙芽細胞の再細胞化基盤(脱細胞化マトリックス)を用いてオートファジー制御による歯髄再生を生化学的手法を用いて検討し, 以下の結果を得た. 1. オートファジー関連遺伝子産物による再細胞化基盤(脱細胞化マトリックス)の歯髄再生能の検討: 作製した象牙芽細胞の再細胞化基盤(脱細胞化マトリックス)に骨格筋幹細胞を播種し, 歯髄再生能についてRT-PCR法を用いて検討した結果, 統計学的有意なオートファジー関連遺伝子と歯髄細胞分化マーカーの発現が観察された.
|