研究課題/領域番号 |
26462913
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大木 明子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10345225)
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研究分担者 |
鈴木 哲也 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60179231)
高橋 英和 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90175430)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アディティブマニュファクチャリング / 顔面補綴 / 3D光学スキャナー / エピテーゼ / 三次元造形法 / CAD/CAM |
研究実績の概要 |
顎顔面領域の外傷や腫瘍の切除などによって顎顔面部に欠損や変形が生じたり、先天性疾患により形態異常があったりする場合、再建手術が行われるが、顔面欠損の程度や部位、患者の条件によって手術ができない場合に審美性や形態の回復と精神的・心理的配慮のため、エピテーゼが適用される。現在広く用いられている方法は、顔の型を採り(顔面印象)、模型を製作し、ワックスパターンを製作して試適し、形態修正後にシリコーン材料で置き換えるものであり、製作に際しては高度な技術が必要となり、顔の色に合わせた色の再現や三次元的な形態の再現が難しいという問題がある。CTやMRIなどの三次元画像を利用した計測データからエピテーゼのパターンや模型を製作する方法が考えられてきたが、被ばくという点でCTなどを用いずに新たな三次元計測システムを用いて形態情報を得る必要がある。本研究の目的は、光学印象により得られる三次元形状データを用いて、コンピュータ上で形状データを構築し、色情報として三次元スキャナーやデジタル写真を用いてエピテーゼの設計を行い、アディティブマニュファクチャリング技術を用い、顔面印象を行うことなく、より審美的なエピテーゼを製作するための基盤技術を開発することである。 平成26年度に本学歯学部倫理審査委員会の承認を得て、平成27年3月からポスター掲示により公募し、本研究の主旨を説明し承諾が得られた健常者6名に対し三次元光学スキャナーを用いた顔面スキャンと従来法である顔面印象法を行った。顔面スキャンとそのデータから三次元造形した模型、および顔面印象法にて得られた顔面模型の三次元形状データを光学スキャンし、3つのデータを比較検討し、その精度について日本歯科技工学会第37回学術大会(福岡市、2015年10月)にて発表した。また、顔面欠損患者1名に対して光学スキャンと顔面印象を行い、エピテーゼを製作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者については当初予定した人数より1名多く参加者があり、顔面形状データを採得できた。また、欠損患者数がもともと少ない顔面欠損患者についても1名、エピテーゼの製作まで行うことができ、今後はそのエピテーゼの評価も含めて検討することが可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
健常者についてのデータの比較に用いたソフトウェアが解析不能部があるため、別の解析ソフトを用いて形状の差を比較検討する予定である。また、顔面欠損患者のエピテーゼと顔面欠損データの取得、および顔面欠損患者の追加、欠損形態の検討、色情報の検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
科研費として使用する適当な物品がなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
物品費として使用予定
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