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2015 年度 実施状況報告書

皮膚の動きに追従するエピテーゼ用樹脂の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26462920
研究機関岡山大学

研究代表者

西川 悟郎  岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)

研究分担者 丸尾 幸憲  岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
入江 正郎  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90105594)
小野 高裕  新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241)
皆木 省吾  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードエピテーゼ / シリコーン / 接着強さ / 伸展能力
研究実績の概要

皮膚の動きに追従する超柔軟で皮膚に対する自己接着能を持つエピテーゼ材料が開発できれば臨床上極めて有用である.
26年度の研究実績としては,柔軟性に優れ,かつ自己接着能を有するシリコーン材料として,SilbioneRT GEL 4021 とSilbione RT GEL 4712(Bluestar Silicone France SAS)が両項目について優れた性質を有していることを明らかにした.
27年度は,これらの材料の引張強度試験と他材料への引張接着強さ試験を行った.またそれらの結果を従来のエピテーゼ材料用のシリコーンにおける結果を比較した.その結果,両材料における引張接着強さ(接着剤は使用せず)は従来のシリコーン(接着剤使用)よりも小さかった.一方引張強度試験の結果は,伸展能力が予想を超えて大きく,従来の予定していた計測方法で計測値を表示することは困難であったが,両材料の伸展能力は従来のシリコーン材料よりも優れていることを示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的に耐えうると考えて重合した2種類のシリコーン材料の引張強度試験と他材料への引張接着強さ試験の結果を,従来のエピテーゼ用シリコーンにおける結果と比較した.接着剤を用いた従来のシリコーン材料よりも本材料の自己接着能力は劣っていた.しかしながら本材料の伸展力は従来の材料よりも優れていることを引張試験で示した.
これらの結果が得られたことは,研究がおおむね順調に進展しているものと示すものと考えている.

今後の研究の推進方策

SilbioneRT GEL 4021 とSilbione RT GEL 4712(Bluestar Silicone France SAS)の2種類のシリコーン材の接着強さの計測値を得ることができたが,引張特性に関しては予想以上に大きいものであった.
本材料の自己接着能力の値は接着剤を用いた従来品よりも小さいものであったが,伸展力は従来品をしのぐものであった.
先頃,国産エピテーゼ用材料として登場し,学会でその使用例が多数報告されているたシルフィー(株式会社ジーシー)に対しても,両試験を行う.
そのうえで,本材料の優れた伸展強さが,従来品や新たに開発された国産材料の持つ接着剤を使用した接着強さを顧慮しても,エピテーゼ材料として総合的に十分優れるものであるということを客観的に示す.

次年度使用額が生じた理由

本年度予定した物品費が,予定よりも安価に物品を購入できたため生じた残額(30,000円)である.

次年度使用額の使用計画

次年度の物品費(新たに追加試験を行う国産エピテーゼ用樹脂の購入)に使用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Various Effects of Sandblasting of Dental Restorative Materials.2016

    • 著者名/発表者名
      Nishigawa G, Maruo Y, Irie M, Maeda N, Yoshihara K, Nagaoka N, Matsumoto T, Minagi S.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11 ページ: e0147077

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0147077

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Flexural properties of polyethylene, glass and carbon fiber-reinforced resin composites for prosthetic frameworks.2015

    • 著者名/発表者名
      Maruo Y, Nishigawa G, Irie M, Yoshihara K, Minagi S.
    • 雑誌名

      Acta Odontologica Scandinavica

      巻: 73 ページ: 581-587

    • DOI

      10.3109/00016357.2014.958875

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 最近のレジンセメントの歯質接着性と曲げ特性2015

    • 著者名/発表者名
      丸尾幸憲,入江正郎,西川悟郎,吉原久美子,長岡紀幸,皆木省吾,松本卓也
    • 学会等名
      第34回日本接着歯学会学術大会
    • 発表場所
      タワーホール舟堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-12-19 – 2015-12-20

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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