本研究では、インプラントの表面形状による細胞骨格の制御機構と細胞機能に及ぼす影響について解析した。今回、Smooth(S)、Micro(M)、Nano(N)の3種類の表面形状で検討を行った。細胞形態は、Sでは細胞の伸展が認められたが、M、Nでは細長い突起を有する形態を示した。細胞骨格の制御因子であるRhoAは粗さに応じて経時的に活性化された。RhoA阻害剤では全ての表面で細く長い細胞突起を誘導した。細胞機能(接着、遊走、骨芽細胞への分化)ではSで明らかな変化を誘導するものの、M、Nでは限定的であった。以上より表面形状による細胞機能の制御に細胞骨格制御機構の関連が示唆された。
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