咀嚼能率を測定するグルコセンサーの精度と術者内信頼性は高く,1人の験者が1回測定すれば十分であると結論できた.さらに検査日の異なる試行間で差がなかったので検査結果の再現性が示され,経時的な咀嚼能率の検査に応用可能と思われる.ただし,ろ過溶液の撹拌等の術式の統一性は必要と思われる.健常有歯顎者における平均値は245.3±94.6㎎/dlで,Kobayashiらの報告より少し値が高かった.また性差と年齢による比較では2群間の差を認めなかった. また咀嚼時間を一定にすると食塊粒度解析法と相関を認め,グルコセンサーを用いた咀嚼能率試験は,客観的咀嚼能率測定の評価法として妥当性を持つことが示された.
|