研究課題/領域番号 |
26462939
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田中 晋平 昭和大学, 歯学部, 講師 (40365705)
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研究分担者 |
岩佐 文則 昭和大学, 歯学部, 准教授 (60297025)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | CAD/CAM / 光学印象 / デジタルデンティストリー / ジルコニア / クラウン・ブリッジ / インプラント |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続きin vivoにおいて,口腔内スキャナーを用いたデジタル印象法とシリコーン印象材を用いた従来法の再現性を比較した.また,上顎無歯顎患者のうち4~6本のインプラントが埋入されている5名の患者の作業用模型にスキャンボディを装着し,ラボスキャナーと口腔内スキャナーを用いて各5回ずつ撮影し,STL(Stereolithography)データを取得した.スキャンボディ6本のうち,口腔内スキャナーのスキャン開始点とした左側最遠心部のスキャンボディを①,最も離れた右側最遠心部にあるものを⑥として①~⑥の番号を割り当てた.全てのSTLデータから①のみ,①②の2本,①②③の3本,①⑥の2本,①-⑥の6本の計5通りの計測部位を抽出し,スキャナーごとの5回の計測から2つの計測データを比較して形態差分値を取得した.その結果口腔内スキャナーの機種に関わらず,①のみ,①②の2本,①②③の3本のSTLデータの再現精度は,①⑥の2本,①-⑥の6本を計測した全顎データと比較して有意に高い値を示した. 以上より,比較的近接している範囲内の光学印象と比較して,全顎に及ぶ光学印象は再現精度に劣ることが示唆された.また,模型上での撮影において光学印象装置の再現精度は,ラボスキャナーより劣ることが示唆されたが,光学印象装置では口腔内を撮影して直接STLデータを取得できるのに対して,ラボスキャナーではシリコーン印象材と石膏を介在した従来法による作業用模型の製作が必要であり,様々な因子の影響が考えられるため,患者の口腔内から直接取得したSTLデータと,従来法を基盤としたラボスキャナーから取得したSTLデータの比較検討を行う必要があると考えられた
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在,本事業における成果を学術ジャーナルのPLoS ONEに投稿,現在審査中である.審査の過程で審査員より追加実験を推奨され,より質の高い成果の掲載を目指すこととなった.現在,追加実験を実施している過程である.
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今後の研究の推進方策 |
申請者は光学印象のメリットは,術者のスキルや患者の口腔内の状態に関わらず,常に一定の精度・再現性を持った補綴装置が製作できることであると考えている.そして,生体における印象採得において光学印象はシリコーン印象より再現性に優れるという仮説を元に生体側や術者の因子も含めた研究デザインを考案し,一定の成果を得ることができた.先にも述べたように,インプラントにおける印象採得や咬合採得の再現性についても着手しており,現在までの成果を原著論文として投稿し,現在審査中である.
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次年度使用額が生じた理由 |
現在,本事業における成果を学術ジャーナルのPLoS ONEに投稿,現在審査中である.審査の過程で審査員より追加実験を推奨され,より質の高い成果の掲載を目指すこととなった.現在,追加実験を実施している過程である.
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次年度使用額の使用計画 |
先に述べた論文投稿のための追加実験に加え,インプラントにおける印象採得や咬合採得の再現性についても着手しており,残額については,これらの実験と論文校正及び投稿料として使用する予定である.
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