部分床義歯設計の遠隔支援システムを開発するために,欠損顎模型を用いたシミュレーション実験を行った. その結果,顎模型を口腔内と想定して直接的に3次元デジタル模型を製作し,義歯設計を行う事は困難であった.その後,従来の印象採得を行った研究用模型を使用して,スキャン解像度の高いデンタルスキャナーを用いた場合は,3次元デジタル模型上で義歯の設計が行える事を確認した.しかし,スキャン解像度の低いスキャナーを用いた場合は,不明瞭な3次元デジタル模型しか構築できないため,詳細な義歯設計は行えない事が確認できた.結論として,遠隔支援可能な汎用システムの開発にはスキャナーの解像度が重要である事が示唆された.
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